(I: 出発編)
アテネは荒涼としたところだったが、折角なので観光することにした。
何の用意もしていかなかったのでこの旅全般を通じて
もっぱら書店でガイドブックの立ち読みで情報を得た。
それにしても観光客が多く食べ物がまずくて閉口した。
grocery storeで卵、チーズ、パン、ベーコン、ハム、ワインを買い、
朝や夜食は自炊したが、現地の食べ物も食べてみたい。
そうしているうちに、アパートのそばで
看板ないのに、人が入ったり出たりしている場所が目に付いた。
レストランと踏んで恐る恐る入ってみた。
果たしてこれはギリシャ料理のレストランであったが、
居るのは現地の人だけで、メニューはギリシャ文字で書いてある。
入ったわたしたちもおっかなびっくりだが、
入られた店の人やお客達もおっかなびっくり、そして興味深深。
他の席にでてる料理はとってもおいしそうだし、
ましてや客が地元民だけということは絶対においしいに違いない。
しかし悲しいかなギリシャ語は解読できない。
そうこうしているうちに
様子を見ていた店の人の警戒も徐々に解けたようで、
おもむろに私達を厨房に誘ってくれた。
そこでいちいち材料を指差してはメニューを示し、
根気よく身振り手振りで料理の説明をしてくれた。
そんなこんなで無事にオーダーした料理のおいしかったこと。
アテネに居る限り、夜はそこで食事をした。
本当においしいギリシャ料理を堪能できて幸せだった。
アテネに早々に飽きた私達は
フェリーでミコノス島に行ってみることにした。
景色がいいというほかに、
同行の男2人が「ヌーディストビーチ」にそそられてたことは間違いない。
フェリーの中は地元ティーンエイジャーだらけで
さながら〝新島〟にいく船のようだった。(行った事ないけど)
それでも甲板にいると素晴らしいカンカン照りのもと、
イルカが何回も跳ねて船を追いかけてくるのが楽しかった。
ミコノスは白い家、白い道、赤や青の窓枠で彩られた島である。
車が通れるほどの広い道は限られており、
ロバが沢山歩いている。
毎日バスや徒歩でビーチにいっては、
浜辺で寝転んでいた。
男2人は浜辺のトップレスのおねえちゃんの前に上陸しようと
まだ肌寒い気候の中、冷たい海に震えながら入って流されたりしていた。
アテネの近くには海と川の入り混じった自然の温水プールみたいな場所があり、
バスでそこまで足を伸ばした。そのバスの中で
年配の婦人たちが教会の前を通るたびに十字を切るのが印象的だった。
途中下車した海辺でみつけた小さなクルーザーに無断で乗り込み、
持ってきた食料でピクニックをしたのも懐かしい。
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