「モーターサイクルダイアリーズ」をみた。クラッシュの影響でニカラグアを始めとした南米の政治状況を調べまくった中学時代から
チェ・ゲバラはわたしのアイドルだった。というわけで原作となる
「モーターサイクル南米旅行日記」は前に読んでいた。なぜかロバート・レッドフォードがプロデューサー。監督はセントラル・ステーションのウォルター・サレス。若き日のゲバラを演じたのはアモーレス・ペロスの
ガエル・ガルシア・ベルナルで、とてもハンサムだが線が細く、実際のゲバラのイメージとはちょっとちがうなあ。映画では相方の
アルベルト・グラナードの日記も参考にして構築したそうで、ゲバラの日記で読んでいたイメージよりずっと軟派な印象になった。しかしある意味でこのほうが裕福な坊やの若き日の初めての冒険に信憑性を与えている。それにしてもあくまで生真面目で正直なゲバラはイメージ通りで安心した。こういう不器用なバカ正直な人間には同類として大きな共感を覚える。物語は前半が主にロードムービーの楽しさ、後半がちょっと偽善がかったヒューマニズムというふうに構成される。2時間の中で性格描写や沢山のエピソードを盛り込んで、さらーっと日記をたどるとだいたいこんなものにならざるを得ないのだろう。まあ、日記を実写でわかりやすくたどるには面白かった。そんななかでも南米の景色は圧巻で、とりわけマチュピチュには強く惹きつけられた。スペイン語が話せたらああして南米中を旅することができるなんて素晴らしい。結局、クーデターの頻発、政情不安、貧困、麻薬問題のために南米はまだ混沌としている。見た目からハンデのある日本人が、スペイン語もできず、のこのこ平和ぼけで気軽に出廻るなんてことが無謀なのは自明であり、つくづく残念。いつの日にか最低限のスペイン語を習得して、マチュピチュいってみたい。まずは北アルプスの山登りでもして体力作りから始めるかなあ。あー、先は長い。