Santa Maria Maggiore
現在でもVatican教皇庁直轄領のひとつで5世紀に建てられて以来、
中世近代と改修が加えられて重厚でありながら絢爛。
一番ローマらしくて好きな教会かもしれない。
まだこの周辺が物騒だった頃、
教会前の階段で物を盗った泥棒が
被害者に追われてこの教会に逃げ込むのをみて
カトリック国だが教会になんの敬意もないことに驚いた。
(ここはバチカン領で治外法権なのを悪用?)
近くにあるSanta Pudenzianaの修道会に泊めてもらったことがある。
Pudenzianaの古いcupolaを根元から眺めながら
その中庭でのんびりシスターとお茶をして
金がない割にとても充足していた学生の頃。
San Clemente古いモザイクの小さな端々のおちゃめな表現が堪らない。
キリストの十字架の中にいる鳩、羊の群、
バックグラウンドの文様に紛れている
小さな人間や動物のひとつひとつが微笑ましい。
それにしても1-2世紀までにあれだけ写実的な彫刻や
モザイクを遺したローマ文化が
ローマ帝国の終焉でこうして芸術表現が退行しているのは興味深い。
我が国でいえば1-2世紀には遠く及ばなかった文化も、
これら中世になると同年代となる
平安時代から鎌倉時代にかけて写実表現が発達しており
あまりギャップがないように思える。
San Giovanni in Lateranoやはり教皇庁直轄領の一つで
13世紀までは隣のPalazzo Lateranoが教皇の住まいだったという。
その後も19世紀終わりまでは教皇の戴冠式はここで行われていたそうで
下の写真にある北側のファサードから
広場に向かって教皇が説法を行ったという。
Santa Maria in Trastevere夕暮れどきの広場からみたSanta Maria in Trastevere.
なんだか首から下げてて重たそう。
使徒のシンボルについてはなにかで読んで知ってはいたが、
これはないだろうよ、というかんじで面白すぎる。
聖マテオだけは人か天使なのできれいだし、
聖ヨハネの鷲もわかるとして、
獅子にみえない怪獣になっている聖マルコ、
医師でもある聖ルカも間抜けな牛に。
教会から出ると広場ではカジュアルな格好の若者5人が
次から次へとよく知られたクラシック曲を
弦楽五重奏で上手に演奏して周りの足を止めていた。
やっぱりヨーロッパなのだと実感する出来事。
広場に面した窓からおばさんも聞き惚れていた。
ちなみにイタリアではレインボーカラーは少なくともゲイのシンボルではない様子。
これにも「pace 平和」とかかいてあるし、
街でも普通のおっさんが平気でレインボーの傘をさしていたりする。